四十肩、五十肩について 石灰沈着炎腱板炎について

2024年11月12日 17:34

俗に言う四十肩、五十肩は正式には肩関節周囲炎と呼ばれます。
肩が痛いけど原因がわからないものを総称として肩関節周囲炎と呼ばれます。
海外ではフローズンショルダー(冷凍肩)と呼ばれ、改善に時間がかかる疾患の一つです。
ちなみに今は長生きなので、60歳や70歳でも症状は出ます。


肩の関節は肩甲骨の方の関節面(身体側)が10円玉くらいの大きさで骨頭側(腕側)がピンポン玉くらいの大きさなので、腕の骨の方が大きいことになります。
そのため他の関節より大きく動きますが、重力に負けないように筋肉や靭帯、関節唇、関節包で腕を引っ張り上げてます。

その引っ張り上げて肩関節を安定させている筋がおもに4つあり総称として腱板と言います。
4つの筋が骨頭側で板状にくっつくため、腱板と呼ばれます。


腱板が何らかのきっかけで痛めて炎症が起こります。このときは腱板炎になります。
四十肩、五十肩はこの炎症が滑液包や関節包に広がると動きが悪くなり、肩関節が固まってしまうと考えられています。
 滑液包は筋などが骨の上を動く上で摩擦が起きないように滑りをよくする組織です。
 関節包は関節をつつんでいる膜で中に滑液が入っていて関節の滑りを良くする組織です。

 ちなみに石灰沈着腱板炎は腱板で貯まったカルシウム性の成分が滑液包に流出して炎症が起きる症状です。
 痛みが夜間痛や少し動かしただけでも激痛が起きます。安静にして病院で注射を打つのが早く治ると思います。
原因は不明ですが、血流障害が関係ありそうです。


四十肩、五十肩の原因はいろいろありますが、

・加齢  年を取ると筋肉(腱板)が老化し硬くなってり、縮んだりします。水分も若い時と比べて約5%少なくなります。筋肉も約65%は水分なので硬くなりやすい傾向にあります。

・運動不足 運動不足になると知らぬ間に肩の動き(可動域)が悪くなり、買い物袋を持ち上げたり、洗濯物を干そうとした際に痛みが走りそのまま固まってしまうことがあります。

・姿勢 主に猫背になると肩甲骨が外に広がって肩が内側に入ります。
肩甲骨が外に広がると肩甲骨本来の動きが出来なくなります。そうなると肩の関節が頑張らないといけなくなります。肩が頑張り過ぎて滑液包との摩擦が増え炎症を起こします。

・使い過ぎや怪我から  テニスやバトミントン、野球、ジムトレーニングなど頑張り過ぎたり、身体の使い方が悪いと滑液包の摩擦が強くなり炎症を起こすことがあります。そのまま五十肩に移行することがあります。
若年者は水分量が多いのと細胞のターンオーバーが早いため、痛いけど動かせる状態です。

四十肩、五十肩の状態は主に3段階に分けられます。
・炎症期  痛みが一番強い時期です。夜寝れない夜間痛や少し動かした時にもズキッとうずくまるくらい痛い時期です。温めすぎると痛みが強くなることがあります。この時はなるべく安静にして、寝るときも肩の下に丸めたタオルを入れたり、急激な動作をしない方が良いです。

拘縮期  痛みが少し楽になったが、手が上がらないなど、少ししか動かせない時期です。この時期はよくお風呂などでよく温めて少しずつ運動するのが良いです。コッドマン体操や歩く時に意識的に手を振るのも良いです。

回復期 徐々に拘縮が取れて回復に向かう時期です。よく温めて運動を
または少しずつ筋力トレーニングをするとよい時期です。

自然治癒はしていきますが、鍼治療や施術をすると治りは早いです。

当院は肩関節だけを診るのではなく、背骨やお腹、股関節も診ていきます。
肩を動かす時にはたくさんの筋肉が動くからです。痛みの原因はどっかがサボって痛みに部分が頑張り過ぎた結果だと考えているからです。

四十肩、五十肩でお悩みの方はお気軽にお問い合わせくださいませ!

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